都市イメージ調査
当社が実施している 『都市イメージ調査』 をご紹介します。
 ※この調査は、『平成16年度 道路空間再構築緑化方策検討業務』(国土交通省仙台河川国道事務所)にて使用したものです。

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■都市イメージ調査とは…

 都市イメージ調査は、都市に居住する人々が、自分の住んでいる街をどのようなイメージで捉えているのかを明らかにするための調査です。都市居住者が潜在的に思い描いている都市イメージを把握することで、その場所の位置付けやその場所が有している意味、場所と場所の関係性等を明らかにすることができます。
 これらの知見を活用することで、居住者の生活実感に即した、また場所の意味性を踏まえたまちづくりや都市デザインが可能となります。



■都市イメージ調査の方法

 以下のような3種類の調査を組み合わせて行うことで、都市居住者が思い描く都市のイメージを明らかにします。

①自由想起調査 ②イメージマップ調査 ③地点識別調査


 <イメージマップ調査>
 イメージマップ調査はアメリカの都市デザイナー、ケビン・リンチが提唱した調査であり、人それぞれが自分の頭の中につくりあげている地図を描いてもらうことで、都市の構造を明らかにしようとする調査です。リンチは、人々は都市のイメージを以下の5つのエレメントによって理解すると提唱しています。
  ①path(道路)、②edge(縁)、③district(地域)、④node(結合点、集中点)、⑤landmark(目印)

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■都市イメージ調査で明らかとなる事柄

都市イメージ調査を行うことで、以下のような事柄を明らかにすることができます。

   ○イメージされる都市の範囲
   ○都市の中で"原点"や"骨格"として強く認識されている要素
   ○都市の中でイメージの強い場所・弱い場所とその理由
   ○場所と場所との関係性(類似性) 等

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■都市イメージ調査の使い方

都市イメージ調査結果の活用方法としては以下のようなことが考えられます。

    ○場所の意味性を配慮した都市・農村計画
    ○都市のイメージ強化を図る上での課題検討
    ○来訪者のイメージ把握による観光地の課題検討
    ○居住者の生活実感に即した空間デザイン
    ○それぞれの場所が有する性格を強調した空間デザイン

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①自由想起調査

 自由想起調査は、例えば「○○市中心部で思いつくもの」「○○地区の中で好きな場所」等を自由に想起して記述してもらう調査です。これにより各場所のイメージの強さや好きな場所、嫌いな場所等を明らかにすることができます。

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②イメージマップ調査

 イメージマップ調査は、都市名や地区名をキーワードとして、思いつくもの(施設、地名、通り等)を思いついた順に地図として描いてもらう調査です。これにより居住者が潜在的にイメージしている都市の範囲や、都市の中で"原点"や"骨格"として強く認識されている場所、都市の中でイメージの強い場所・弱い場所等を明らかにすることができます。

<調査の方法>
 ・方向性のない正方形で白紙に、仙台市中心部について思いつくもの(施設、地名、通り等)をマップ化してもらう。
 ・地図作成の制限時間を11分間とし、最初の2分間を赤色、次の3分間を青色、次の3分間を緑色、最後の3分間を黒
  色の鉛筆で描いてもらう。
 ・地図作成の際、名称が分かるものについては、名称も合わせて記入してもらう。

 【調査例1】



 【調査例2】

 下図はイメージマップ調査で描画された主な要素をプロットした図です。これによりイメージされる都市の範囲、イメージの強い施設や地区等を明らかにすることができます。



 【調査例3】

 イメージマップ調査では、時間毎に色の違う鉛筆を用いて地図を描いてもらいます。下図はそれぞれの時間ごとの主な描画要素をまとめたものです。これにより、都市の中の原点的要素や都市の骨格を明らかにすることができます。



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③地点識別調査

  地点識別調査は、都市内の主要地点の写真を提示し、地図上に示した地点番号のどこに該当しているかを答えてもらう調査です。これにより、都市の中で認識の強い場所・弱い場所や、地点間の誤認関係とその要因、物理量(土地利用、街路樹パターン等)と識別の因果関係等を明らかにすることができます。
<集計の方法>
  ・調査結果を以下の式に当てはめて集計します。



 【調査例1】

 下図は地点ごとの正答率と誤認関係をまとめたものです。これにより認識の強い場所・弱い場所、および間違われやすい地点とその特徴を明らかにすることができます。




 【調査例2】

 地点毎の正答率を目的変数、各地点の物理量(土地利用、街路樹パターン等)を説明変数として数量化Ⅰ類による分析を行うことで、物理量と識別の因果関係等を明らかにすることができます。これにより、イメージ強化のポイント等の検討が可能となります。
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