角館に行ってきた~コネタ編

「角館」―あなたは、この地名をなんと呼びますか?
「ばっけ」―あなたは、この言葉の意味を知っていますか?

今回は福島出身の私が角館で目にして、耳にして、面白い!と思ったものを紹介します。


■「ホジ」も売ってる「イオヤ」

角館イオヤ
 

石造りの店蔵、これは角館の人なら誰でも知っているという「イオヤ」です。
正面の上部には「伊保商店」という表示。
角館で生まれ育った友人が子供のころ、親に叱られるときの常套句として「イオヤさ行ってホンジ買ってけぇ!」というのがあったそうです。

「ホジ」というのは、分別とか理解力のことを指すようで、つまり「おまえちょっとココが足りないからイオヤで足りないものを買ってこい」、意訳すれば「ちゃんと考えてしっかりしなさい!」といったところでしょうか。

イオヤ店内

店の正面だけでなく、店内もいろんな物がぶら下がっています。
よろずや、という一言で済ませるには面白すぎる品揃え。
花笠や手ぬぐい、輸入ものと思しき象の置物、LOFTやドンキで売ってそうなカツラやサングラス、皿や急須などの食器、ネズミ取り器・・・並び方にも秩序というものがありません。
友人とあれこれ手に取り、ゲラゲラ笑いながらしばらく楽しみました。


■学法寺の勉強地蔵

メガネのお地蔵さん

「新しい寺子屋」と謳う学法寺の入口にあったのが、このメガネのかわいらしいお地蔵様。
友人は子供のころ、習字、ピアノ、英語、そろばんと、たくさんの習い事をしていたそうですが、それはほとんどお寺で教室がひらかれていたそうです。
歴史ある角館、お寺がちゃんと地域のコミュニティの核として、まちの教育の場として機能しているんですね。


■交通安全を願いますが・・・

角館の中でも格が高いというお寺。

角館常光院

友人とそのお母さんが「じょうごいん(ジョゴィン)」と言うので、「常護院」かなあ、と想像していたら、なんと「常光院」(じょうこういん)でした。角館唯一の幼稚園を併設しています。

子どもたちが通るからでしょう、常光院の前に、こんなもの↓がありました。

きいろいひと

交通安全の横断旗のホルダーです。
正面から見ると・・・

きいろいひと

古びてちょっとオドロオドロしいような気もしますが、愛嬌・・・いや、哀愁が・・・。
友人が子どものころからあるというからウン十年、ここに居続けたわけです。
おじいさんのお墓があるので、常光院にはよく来ていて、この黄色いホルダーはすっかり見慣れたもので、私が面白がるのが却って不思議だと言われました。


■「角館」と「ばっけ」

さて、冒頭の質問に戻ります。
角館のひとたちは、「かくだて」と呼びます。「の」は付けないのか聞いたら、首をかしげられました。ちょっとネットで調べてみましたが、「の」が後から着いたのか、略されてしまったのか、わかりませんでした。ただ、これからはちょっと角館通ぶって「かくだて」と言ってしまおうかと思っています。

そして「ばっけ」とは、フキノトウのこと。私は初めて聞いたのですが、山形あたりでも「ばっけ」と呼ぶようです。語源は「花が半開きのようだから(半華?)」「ポックリ 芽を出す様子から」「花が盤状に開くことから、盤開が促音化」など諸説あるようです。ネットで「ばっけ」を調べていたら、関東では崖線(ハケ)の別称として「バッケ」があるという内容を見つけました。フキノトウは斜面によく生えています。関東の呼び方とはいえ、言葉の伝播は定かではありません、関連が無いとも言い切れないかもしれませんね。


旅先では、楽しい発見を求めてまち歩きをします。外から来た人が目を付けたものでも、そこに住む人にとってはなんてことのない事物ということは多々あります。また一方、現地の人に案内してもらうと、外向けの観光案内だけでは出会えないものを見せてもらえることもあります。
地域の良さや宝を見出し、旅行者は楽しみ、地域も盛り上がる、そんな幸せな関係が結べるといいな、と思いながら、旅先を歩いています。


10 May, 2012 | noris



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