発想力に磨きをかけて

友森 千春

 私の出身は松崎造園(略称)で、高速道路の造園・造成計画を基軸とする“みどりや”である。故あってPNに移籍し、当初は時代や生活の大きな変化に戸惑いながらも、多様な視点で国土や人々の生活環境の向上を図る「建設コンサルタント」という新たな仕事に従事して約13年になる。
 この間、造園設計に特化しない日常業務による焦燥感から、奥多摩町内全域をフィールドとする自然教室ボランティアに在籍し、週末ごとに植生や動植物の生態、地形・地質等を観察し案内することで、自然環境全般に対する“勘”を保つよう努めてきた。その甲斐あって今では、体験を伴う知識・感覚を根拠としたブレない視点で日常業務に取り組んでいる。


 千里の道も一歩から “技術開発部”の誕生



 最近、社内では、業務を遂行する傍ら、興味の向くままに自然科学全般から土木工学、はたまた地域食材に至るまで、ジャンルを問わず様々な課題を見つけ、それらに対して多様な視点による技術的検討(特許申請の関係上、検討成果の詳細は伏せるが……??)を行っている。
 今ではこの活動を“技術開発部”と称し、 「既成概念に捉われないこと」「多様な視点で考えること」「専門分野を越えたより面白い知恵を絞ること」「人のアイディアを否定しないこと」「可能性に目を向けること」 を自然発生的な暗黙のルールとして、遊び心を忘れずに、安全で楽しい暮らしに役立つ“何か”の開発に向けたディスカッションを不定期に実施している。
 現状では、時間もテーマも気の向くままな面が否めないが、PNメンバーそれぞれの得意分野が異なるため、ひとつの事を掘り下げてアイディアを出し合うことによって思いもよらない視点や発見に辿り着くことがある。こうした活動は私にとっての大きな成果であるだけでなく、今後のPNの活動範囲の拡大に寄与するものと考えている。


 生き抜く力を蓄える



 業務を超えて様々な事柄に好奇心を持ち、時間が経つのを忘れて意見交換を楽しむ仲間が集まる“技術開発部”は、これからのPNにとって財産であり武器であるといっても過言ではない。しかし、それがただの戯れ事と云われないようにするには、自分の専門知識や技術を日々高めていくことで確固たる土台を持ち、そのうえで視野を広げることの出来る技術者であらねばならない。そして、一本筋の通った太い幹と、発想力や応用力の源となる枝葉をたくさん茂らせることによって、どのような状況にあっても生き抜く力を蓄えておきたい。
 こうしたことから極めて近い将来、生き抜く力となる“技術開発部”が実態の伴う部課となってプロジェクトを牽引し、心豊かで安全な日本らしい暮らしに繋がる様々なアイディアを世界に発信できるように、好奇心を高め発想力に磨きをかけなければならないと考えている。



06 Sep, 2016 | take_A



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