町並み巡り(広島県呉市御手洗地区)

御手洗は、瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の東端に位置するまちで、江戸時代に西廻り航路の潮待ち・風待ちをする港町として栄えました。
平成6年に広島県で2番目の重伝建地区に選定されています。
御手洗の町並みマップ

御手洗は、歓楽街としての性格も持ち合わせており、4軒の茶屋が置かれていました。そのうちのひとつである若胡子屋は現在も建物が残り、内部が見学できます。
また、御手洗の町には彩度の高い色の洋風建築も所々に見られます。職種は病院や理髪店などで、大正~昭和初期に建設されたものだそうです。
金子邸若胡子屋跡越智医院

家々の壁には花が生けられています。これは「重伝建を考える会」のさくら部会の皆さんが持ち回りで手入れをしています。
軒先に御手洗の古写真を掲示しているお宅もありました。
こういった細やかな気遣いの背後に、地域の方の町並みに対する気持ちがうかがえて、町並みの印象も一段と生き生きして見えます。
軒先の生け花軒先の古写真


長い階段の先にある「歴史の見える丘公園」からは、町並みと瀬戸内海が一望できます。
周囲のみかん畑の色も映えて、なかなかの景色です。
歴史の見える丘公園からの眺め

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御手洗地区は、平成3年の台風19号により多大な被害を受け、海沿いの地域では床上浸水の被害が出ました。
地区のはずれには、災害時の最高潮位を示したプレートが掲示してあります。
この災害を機に、重伝建地区選定に向けた取り組みが加速しました。
最高潮位

海岸部も台風19号の際に損傷し、県の災害復旧事業により修復されました。
ちょうど重伝建地区の選定に向けた取り組みが盛り上がっていた頃であったため、背後の歴史的な町並みにあわせて、「雁木」と呼ばれる階段状の船着場や石燈籠に形状を模した灯台などが整備されました。
雁木型の護岸石燈籠(手前)と、それを模した灯台(奥)

重伝建地区選定により建築物の修理修景が進んだことに合わせ、平成11年からは「街なみ環境整備事業」による整備が始まり、ポケットパーク整備や無電柱化が実施されています。
ポケットパーク無電柱化された通り


29 Jun, 2012 | tanatomo



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